ハルヒルまで1か月となった2023/04/13、HUEZ号に履かせた決戦ホイール、Mavic R-SYSのチューブをTPUに交換してみることにしました。
経緯
長年、Michelinの軽量ブチルチューブ、AIR COMP A1(77 g/本)を使ってきました。軽量なのにパンクしにくいので全幅の信頼を置いていました。バルブコアが取り外せない点も、逆にトラブルの心配がなくて気に入っていました。
しかし、昨年4月~5月のハルヒル試走ではAIR COMP A1が、まさかのパンクしまくり!コロナ禍前からの買い置きだったので、経年劣化してしまっていたのでしょう。軽量チューブに嫌気がさし、Continental RACE 28(100g/本)を使い始めました。
ハルヒル本番では、前:AIR COMP A1/後:Continental RACE 28(100g/本)で臨んで自己ベストを更新していました。「軽量チューブじゃなくても、自己ベストを出せるのなら、もうやめてしまえ!」と、9月の赤城山ヒルクライムまでには、両輪ともRACE 28に交換していました。ブチルチューブの厚さは、見た目的にも安心感に直結しますね。ディープリムも使うようになったので、バルブコアが取り外せるRACE 28は使い勝手が良いのもポイントです。
いったんは、これで落ち着いたかのように思えたのですが…。
TPUチューブについては、クラブの仲間から話を聞いたり、自転車界隈のニュースを見聞きしていました。TPU素材は軽くて強いけど熱には弱い、という特性があります。TPUチューブが出始めの頃は、リムブレーキはNGと謳われてたし、初期不良の多さも聞いていたので、まだ自分には関係のない話、と思っていました。
ところが、Magene EXARが発売されたときには俄然、興味を持つことになりました。販売元は信頼のGROWTAC。「高い耐熱性によりリムブレーキでも使用可能」と謳われており、耐熱テストの方法も公開されています。これは、使ってみるしかないでしょう!…と。
Mavic R-SYSに合わせて、バルブ長45mmの物を入手しました。
到着
チューブ本体はオレンジ色、バルブはブラックです。取扱説明書と、ホイールのバルブ根本に貼る音鳴り防止用のシールも付属しています。

重量測定
何はともあれ、重量測定といきましょう。


製品仕様では36gのところ、2本とも37gでした。チューブを束ねるバンド、「組み付け前に8psi以上、空気を入れない」旨の注意ラベル、バルブキャップ込みです。バラつきがないことから、製造品質の高さが伺えますね。
交換
TPUチューブは初期不良が多いという噂を聞いていました。製造工程で接着(溶着)を多用するためですかね。

こんな感じで、チューブ本体にも継ぎ目があります。
EXARも、「初期不良の確認のため、本製品を使用する前に0.5bar/8psi以下の空気を入れ、水の中に入れるなどし、空気漏れがないことを確認してください」としています。逆に言えば、これによって初期不良を保証してもらえるということですね。安心。組みつけの前に、2本とも、初期不良の問題がないことを確認しました。

水につけるときに、チューブ表面に気泡がついて紛れ込むので、それを取り除きながら丁寧に観察しました。2本とも、初期不良の心配はなさそうです。
組み付け作業は、総じてブチルより楽です。何となく、TPUチューブは取り扱いがデリケートなイメージがあったのですが、空気を少し入れてみたときに、美しい円を描いてカチッと膨らむ様子を見たら、そんなイメージは吹き飛びました。タイヤに収めるときも、ツルっとした素材なのでブチルより噛み込みしにくいし、万が一、噛み込みそうになったとしても派手な色のおかげで気づきやすいでしょう。
バルブ根本の音鳴りを防止するシールを貼って完了。

ブラックのバルブは、ブラックのリムに合いますね!
空気圧
ブチルチューブでは、25cの場合、前:5.9BAR/後:6.2BARで運用してきました。巷の情報から、ブチルより若干、下げた方が良い様なので、前後とも0.2BAR下げて見ることしました。
パッチ
機材を変えたときに合わせて考慮しておいた方が良いのがライドの携行品。ツールボトルの中には予備チューブに加え、これまでも、チューブ補修用パッチを入れていました。Panaracerのイージーパッチキットです。
念のために、TPUチューブの修理に使えると巷で噂のパッチ、ParkToolのGP-2をアドオン。

ポチる寸前まで行ったところで、何となく見覚えがあったような気がして探したら、やっぱり持っていたのでした。(他にも、未開封のチェーンオイルなどなど、死蔵品が結構あること…。)
ツールボトルに入れた予備チューブは当面、ブチルのままかもしれませんが、念のために、このパッチも入れておくことにしました。
でも、中身は、Panaracerのイージーパッチと同じような…。
実走
エアを充填してから数十分、様子見をしましたが問題はなさそうです。いよいよ実走で確認してみます。軽量・ローハイトのアルミホイール(Mavic R-SYS)でのインプレとなります。行先は、良く慣れたホームースの伊香保練。短いですが、平坦/上り/下りの全ての要素は詰まっています。
軽量化の効果
色々なシーンで、拙い感覚を研ぎ澄ましてみました。
走り出しでは、確かに軽さを感じましたが、それも一瞬のこと。平坦巡行に入ってしまえば、軽さの恩恵は殆ど感じられません。
しかし、上りでは、鈍感な私でも軽さを感じることができました。ちょっと調子が良い感じがして、いつもなら一段軽いギヤにチェンジするところ、このまま、もう少し踏んでみよう!…という感じになりました。ダンシングで車体を振るときも、軽さを感じやすかったです。
最後に下り。風向きの影響もあってか、スピードが乗らない感じがしました。ノンブレーキでも加速していかないので、まったり下る分には楽なのですが、下りでも踏みたくなるシーンが増えてしまうかもしれません。
…とまあ、この日の1時間半のライドでは、TPUチューブの軽さは、一言でいえば、軽量・ローハイトホイールの長所も短所も際立たせているような印象を受けました。
ちなみに、4/8(月)あたりから、右脚の脹脛には痛みが、尻からハムストリングスにかけては強烈な張りがある状態が続いています。この日も、決して調子が良いということは無く、むしろ悪かったのでした。それにも関わらず、上りのStravaセグメントで、まずまずのタイムを出せていたのは、軽量効果によるものでしょう。新機材でアドレナリンも出てしまったかな。
乗り心地
前述の通り、ブチルチューブでは前:5.9BAR/後:6.2BARのところ、前:5.7BAR/後:6.0BARで走った感じです。あえて、荒れたアスファルトを走ってみましたが、全く違和感なし!十分、衝撃をいなしてくれている感がありました。
まあ、機材重量+エンジン重が数kg増減しても、空気圧を変えないし、それでも違和感を感じることはない人なので結構、鈍感な部類かもしれませんが…。次回は0.1BAR、上げて試してみようと思います。
減圧
TPUチューブはブチルチューブよりも減圧が早いとのことなので、何回かチェックしてみました。エアゲージは使わず、触感でのチェックですが、ブチルの時から、こんな感じで減圧チェックしているので指先の感覚は、それなりの精度があるはずです。
- 交換当日の夕方(エア充填から6時間後)…全く問題なし!
- 翌日朝(エア充填から24時間後)…サイドを押すと凹み易くなった気がしないでもないけど…問題なし!
- さらには、交換から一週間後の04/20(土)…あれ、24時間後から減っていないような?
さすがに、一週間後には触って分かるレベルまで抜けてるだろうと想像していたのですが、心強くパンパンな状態を維持してくれているので、拍子抜けしてしまいました。これなら、厚手のブチルチューブと同じような感覚で使えそうです。初期不良によるスローパンクも無いということが分かりました。
まとめ
初のTPUチューブですが、ひとまずは順調な滑り出しとなりました。長期的に観察して、何かあれば続報します。
トラブルが多そうなイメージから、なかなか手を出さなかったTPUチューブ。もっと早く使ってみれば良かったな。もう、全部TPUにしちゃってもいいかもな…と思い始めています。
さて、文中、右脚の脹脛の痛みのことを書きましたが、このジンジンする痛みは、あくまでも素人の見立てですが、シンスプリントの可能性が高そうです。ちょっと良くなっては、朝ランで悪化…というのを繰り返してしまっています。
おまけに、春の花粉症は、予報ほどのこともなく終わりそうだな…と油断しかけたところで、喉をやられてしまいました。咳が出始めると苦しくて。さらには口なのか喉なのか、奥の方が痒くて痒くて…。
こんな体調が続いてトレーニングがままならず、悶々とした日々を送っています。こんな調子で3週間後のハルヒルに出られるのでしょうかね…。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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