TACX NEO Smart (以降NEOと記載)の挙動がおかしくなりました。
「買ってから2年半、そろそろヤバいかもな…。」
つい先日、ふと、こんなことを思っていた矢先のことでした。
気になることは全くなかったのですが、虫の知らせだったのかな…。
Contents
NEOの不具合事象
Zwiftを始めて30分ほど回すと突然、負荷が抜けるのです。
完全に空回り、ではなく、ズルッズルッと滑りまくる感じ。
…で、Zwiftアプリとの接続をやり直したりしているうちに復活。
その後、数十分は問題なく使えるし、
翌日のZwiftも、何事もなかったかのようにスタートできます。
切り分け
オーバーヒート?
ネットで調べると、このYouTube動画の事象が似ているように思えました。
https://www.youtube.com/watch?v=duEWs7Bu8x4
似ていると感じたのは、ペダリングしたときの音とか、ペダリングを止めたときの慣性の少なさです。私の事象も『オーバーヒート』なのでしょうか。
この動画からは、事象が発生すると常に0 wになってしまっている点、また、NEOの赤いLEDが点滅している点が特徴のように見えます。しかし、私の場合は、完全に0 wにはならず、ずるずると進むことができます。さらに、事象発生中でも LEDの状態は正常ですし、iPhone APP「Tacx Utility」の「Testing Dashboard」でチェックしてみても正常なのです。
どうやら『オーバーヒート』とは違うようです。
ハード or ソフト?
事例のない事象。まずは、ハードorソフト?というところが気になります。でも、ハードであれば、もっと分かりやすく動かなくなる気がするのです。そこで、まずはソフト面を疑うことにしました。ソフトの中でもNEOのファームウェアは枯れて久しいので、Zwiftアプリを疑います。
仮説1 Zwiftの問題か?
まずは、Zwiftのバグを疑ってみたのですが、さすがに、このようなバグがあれば世界中が大騒ぎになっているはずです。Twitterなどをチェックしてみましたが、そんな気配はありません。やはり、私自身のZwiftアプリ環境を疑う必要がありあそうです。私はPCのZwiftアプリを使っているのですが、少し前に、セーブ時のクラッシュなどがあったので、構成ファイルの一部が壊れたかな…とか仮説を立ててみたり。
検証1-1 Zwiftのログの確認
SEという職業柄、ソフトウェアの不具合調査は真っ先にログファイルを見たくなります。アクティビティではなく、アプリがどのように動作したかの記録です。ZwiftアプリのログファイルがPCのドキュメント\Zwift\Logs配下に格納されていることは以前から承知済。事象発生時の出力内容を確認してみましたが、特に目ぼしい情報は見当たりませんでした。
…というか、普段から”Failure”のキーワードが多すぎ!パッと見で問題の有無を判断できるようなものではありませんでした。このログ、デバッグトレースレベルですね。再現性のない不具合に対峙するには、良いのかもしれませんけどねぇ…。
検証1-2 iPhoneアプリを試す
iPhoneのZwiftアプリでも試してみました。こちらが問題なければPCのZwiftアプリに閉じた問題になるかと。しかし、PCと同じように30分ほどで事象が再現したのでした。
少なくとも、PCのZwiftアプリだけの問題ではないということが分かりました。これで、仮説1は崩れました。
仮説2 やっぱりNEOの問題か?
いったんは置いておいたNEO(特に、そのハード面)への疑いですが、ちゃんと見極める必要がありそうです。
検証2 Edge 520からコントロールしてみる
ANT+FE-Cに対応したEdge 520からNEOをコントロールしてみれば、NEO側に問題があるかを切り分けできるはずです。
負荷やターゲットパワーを手動で上下させてみたり、
過去の走行ログからコースを作って勾配をシミュレーションさせてみたり、
ワークアウトでERGモードを試してみたり。。。
それぞれ、1時間ほど試してみましたが、全く問題なし。
うーん…、これは迷宮入りの様相を呈してきました。少なくとも、NEOだけの問題ということではないようです。
頓挫。…からの意外な展開
仮説は2つも崩れ、もはやノーアイデアになってしまいました。
完全に故障ということであれば、覚悟を決めて何かしらのトレーナーを買わねば…となるところですが、Edge 520 でコントロールすればワークアウトが動いてくれるので、当面はそれでいいか…と。
NEOのLEDが挙動不審
そのワークアウトが習慣になりつつあった、ある晩のことでした。
冷却のためにコンセントに繋いだままのNEOをぼーっと眺めていると、電源の赤いLEDの他に、ANT+の緑も光っていることが、ふと気になりました。Edge 520はとっくに電源OFFしていますし、PCのZwiftアプリは起動すらしていません。誰が繋いでいるのだろう?と。
さらに、しばらく注視していると、その緑のLEDがスッと消えたり、また点いたりと、変な挙動をしているではありませんか!
犯人はFA745なのか?
NEOに繋ぎに来ていたのは、 Garmin ウォッチ、ForeAthlete 745 (以降、FA745)でした。すっかり忘れていたのですが、買った頃に試しにペアリングさせてみたのでしょう。それが有効になったままなのでした。センサーの設定からオフにしたら、緑のLEDはスッと消えました。
これって、ZwiftとFA745の両方がNEOにANT+FE-Cで繋ごうとしていたということですよね?だとすると、どのような挙動になるのでしょう?
そういえば最近、ZwiftアプリにANT+で接続したセンサーが瞬断することが何回かあったのです。こちらは、一瞬にして復活するので気にしていなかったのですが…。
少なくとも、事象発生時、Zwiftの画面上はSmart Trainerの接続も有効になっていたのですが、もしかすると、ZwiftとFA745がNEOのコントロールを奪い合うような挙動になって、今回のような不具合事象になったのかもしれませんね。
再現性が腑に落ちないけど…
しかし、そう仮定しても、腑に落ちない点があります。
FA745とペアリングしたのは数か月ほど前のはずですが、事象が起こるようになったのは最近のこと。それまで全く問題がなかったのに、事象が起こるようになってからは、必ずといっていいほど再現するようになっています。これはどう考えれば良いのでしょう?
これについては、NEOのLEDのことを調べていたときに、ガーミンのサポート情報で、少し気になる記載を見つけていました。
電源アダプターに青いランプが点灯している場合は、アダプターをコンセントやトレーナーの背面から外します。 60分待ってから、アダプターをコンセントとトレーナーの背面に差し込みます。このリセット後に…
NEOシリーズスマートトレーナーLEDライトとエラーコード | Garmin サポートセンター
NEOの電源コンセントはスイッチ付きのタップを使っているので、冷却が済んだ頃にタップのスイッチを切る運用にしていました。しかし、NEOの背面からACアダプターからのコードを抜いたことは、ほとんどありません。これを抜いて60分待つことが、NEOのリセット動作になるのでしょうか…?半信半疑ですが、試しに抜いてみました。
ついに解決!
FA745のセンサー接続を切り、NEOもリセットしました。
その翌日、久しぶりにZwiftをやってみました。
恐る恐るスタートしたのですが、終わってみれば90分間、ノートラブル!
さらに、その次のZwiftでは、110分間ノートラブル!!
その後も、何回かノートラブル進行中です!!!
ついでに、センサーの瞬断も発生しなくなりました。
これはもう、原因特定と言っても良いでしょう。
まとめ
長くなってしまったので、まとめておきます。
- ANT+FE-Cで複数のデバイスと接続するとNEOの挙動がおかしくなる可能性がある。
- NEOの挙動がおかしくなってしまった場合は、ACアダプターの線を抜いて60分放置することによるリセット動作で、復旧する可能性がある。
今回、毎日、当たり前のように使っている機材がダメになって、相当な衝撃を受けました。いや、安い消耗品であれば何とも思わないのですが、スマトレは金額的にアレなので…。
そんな中で、もちろん、買い替え候補のスマトレを物色したりもしましたが、なんかもうピンとこないというか…。色々と考えていくうちに、そもそも、自分のトレーニングの目的って何なのだろうとか。この辺りは、また続きの話としてアップしようかな…と思います。
長文になってしまいましたが、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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